大石宏一さん~IT企業をもっとIT化したい~

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大石 宏一 (おおいし・ひろかず)

講師になるまでのお仕事: エンジニアとして開発に従事。

今のお仕事: 株式会社クロノスにてIT講師、エンジニアとして従事。

 


 

研修を受ける新人エンジニアには、できるかぎり現場感を伝えたいという大石宏一さんにお話を伺いました。

 

- 本日はお忙しいところありがとうございます。

大石:宜しくお願いいたします。

 

自分の方ができる

 

- 講師になられるきっかけは何だったのでしょうか?

大石:前職で社会人2年目の時に自社の新卒の研修、一つ下の研修を任され自分なりにやったのが講師としての始めです。

その次の年にクロノスに移っているのですが、移ってすぐにある研修会社さんのサブ講師として登壇するという仕事がありました。その研修会社はそこそこ有名な会社ではあったのですが、メイン講師の方が話しているのを聞いて「これは、自分の方が上手にできるのではないか」と思いました(笑)。

 

- なぜ大石さんの方が上手にできると思ったのでしょう?

大石:メイン講師の方自身が理解していないのだろうなという点もありましたし、エンジニアをしていた自分が聞いてもよくわからないと思う説明を、初めて聞いた受講者が分かるはずがありません。

その時に、後にあったホワイトボードを持ってきて、「今の解らなかった人はこっちを見て、解ったら前を見よう」という説明を勝手にやりました(笑)。そうしたら、その取引先から非常に良い評価をいただき、次の年からメイン講師としてのお声掛けをいただきました。

本格的に講師をやり始めたのはその頃、社会人4年目の頃からですね。

 

なるべく遠ざかって探していた職種だった「先生」

 

-講師にはなるべくしてなった、という感じでしょうか。

大石:そうですね。もともと、中学生の頃から「先生に向いている」というのは周りから言われていたのです。大学生の頃には塾講師や家庭教師をやったりもしていました。しかし、その時は社会人になってから先生になるのは嫌だと思っていました。

 

- なぜですか?

大石:できるだろう、と周りから言われ自分もある程度スキルを持っているものになるというのは自分の中で何か違うと思っていました。自分に全くないスキルを伸ばしたかったのです。

ですので、就職活動の時には全く関係ない業界を受けていました。パチンコ屋、MR、金庫屋さんなども受け、その中にIT企業がたまたまあったのです。前職では、この会社であれば人間的に成長できるかなと考え入社しました。

教育はしないと思ってIT業界に入ったのですが、結果としてIT業界で先生をしています(笑)。

 

- それから、今まで講師として活動されているのですね。

大石:はい。8年ほど経ちました。

 

旬はJavaScript

 

- 今教えている領域は何が一番多いのですか?

大石:春先はJavaが一番多いです。それ以外だと、最近は品質管理系が多いでしょうか。テスト手法、レビュー技法などです。

きっかけは、僕が社内のISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)のCISO(最高情報セキュリティ責任者)に就任して、そこから知識が増えていきました。何か教育で使えるのではないかという所から始まっているのですが、他社さんで話をさせていただく機会も増えていきました。中堅どころやPL、PMさんからの依頼も結構あります。

 

- 言語はJava以外で最近教えているものはあるのですか?

大石:教えているというのは特にはないのですが、会社的にJavaScriptに力を入れなくては、と話しています。

 

- 依頼が多いということですか?

大石:jQueryなどはよくお話をいただきますし、最近は依頼が多くなっているように感じます。

 

- 春の新人研修以外は中堅社員向けの研修が多いのですか?

大石:そうですね。1日研修などの単発や、もっと短いと3時間研修などもあります。あとは、社内案件の開発などを行っています。

 

脱線を重視する程の”現場感”を伝えたい

 

- 授業をしている時に意識している所はありますか?

大石:何でしょうね。僕は少なくとも現場感は伝えなければいけないと思っています。今も繁忙期以外は現場に入っているというのも、その理由からですし。テキストに書いていない事を伝えるというか、脱線重視というか(笑)。

新入社員に関して言えばマインド、心構えです。ビジネスマンたるものはといったような。

 

- 8年間教えてきて、受講生の性質というかタイプが変わったなと思うことはありますか?

大石:僕の中では年代ですごく変わっているというのはあまり感じないです。色々な会社さんを見ているせいもあると思いますが。会社さんごとにカラーが違うな、というのはよくあります。

うまくいく時というのは、そのクラスの中でリーダーシップを取れる人がいた時です。いい意味でバカになってくれる人というか、いじられ役のような人がいると、すごくいい研修になります。受講生同士がお互いに牽制しあっていたりすると、なかなかうまくいきません。ですので、クラスの中心になれる人物を見つけるのがまず初めに大切なことだと思います。

 

- そこも一つの講師の手腕ですね。

 

中小IT企業をもっともっとIT化したい

 

- 今後はどのような教育をしていきたい、という展望はありますか?

大石:今会社として、クロノスのラーニングはどこを目指すべきかというのをもう一度考え直している段階です。暫定的には「現場感」を伝えるということで、現場で輝けるエンジニアを輩出したいというのは崩れていません。経験値も含め、できるだけ現場に出したいというのは変わらないのですが、最近だと品質を向上するということもより重要視しています。また、中小のIT企業さんと取引する機会が非常に多くなってきましたので、中小IT企業が今後生きていくための研修も考えたいと思っています。

例えば、先日クラウドの研修を3時間でやりました。弊社がクラウドに手を付け始めたのは4、5年前なのですが、まだほとんどの会社さんがやっていないのです。その時の研修で手を挙げて貰ったら、1割いかないくらいでした。クラウドをすぐに借りられて、そこで開発してリリースして提供できるという素晴らしい環境に居ながらにして、きっとSES(システムエンジニアリングサービス)という従来の流れから抜けられない企業がたくさんあるのだと感じました。弊社は4、5年前から半分くらいをクラウドでの仕事に切り替え、社内での受託開発を増やしてきたということもあり、対エンドユーザー向けの仕事を掴めてきています。そういった成長方法もあるということを中小IT企業に教えていきたいと思っています。

IT業界で活躍する人たち、今後も長く生きていける人たちというのを支援したいということに繋がりますね。

 

- IT業界なのにITを使いこなしていない会社が多いということですね。

大石:びっくりするぐらい多いですね。Redmineは使っている、Subversionは使っている、でもJUnitは使えていない、Jenkinsは知らないというような所がたくさんあります。

 

- SESが主になってしまうと、自社にノウハウや技術が溜まらないビジネスモデルになってしまうということですよね。

大石:そうですよね。SESはSESで大きいプロジェクトに入れるのでいいものではあると思います。ただ、ずっとそればかりになってしまうと会社に残る物はないなという気はします。ですので、会社に技術や知識を残せて外でも吸収できるというビジネスモデルができれば最高だとは思うのですが。

 

- そうですね。我々も考えなくてはいけないと思います。ありがとうございました。

大石:こちらこそありがとうございました。

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